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よくつめをかじっている5歳の男の子がいます。保護者に聞くと、4歳のころからつめを切ったことがないそうです。どのように対処していくべきでしょうか?
つめかみは、通常4~5歳からはじまるといわれる神経性習癖の一つで、心理的問題を抱えています。神経性習癖は、ほかに指しゃぶりや性器いじりなど、体をいじる癖というのが狭義です。広義には、睡眠に関するもの(夜驚・悪夢・夢中遊行など)、言語に関するもの(吃音・緘黙など)、食事に関するもの(食欲不振・過食など)、排泄に関するもの(遺尿・遺糞など)、行為に関するもの(チック・抜毛・盗癖など)まで幅広く含めようとする考え方もあります。
そして、神経性習癖か心身症かの診断は、子どもの発達や成育環境、保護者との関係などを含めておこなっていかなければなりません。 5歳の男の子、Aくんの場合を紹介します。Aくんの母親は、優秀な子になってほしいと願い、2歳のころから幼児教室に通わせました。Aくんは第一自立期で自我が芽生えており、嫌がることもありましたが、母親は力でそれを否定しました。 その後、Aくんは幼稚園受験に失敗してしまったのですが、それからAくんは元気がなくなっていき、母親もAくんに関心を示すことが少なくなっていきました。そして、そのころに妹が生まれたのです。そのころのつめかみはかなり激しく、ときどき指先から血がにじんだりすることもあったそうです。Aくんのさびしさや不安感、妹に対する攻撃性や、親の愛情に対しての焦燥感を推測することができます。 神経性習癖は、親と子どもの間に心理的葛藤が引き起こされ、子どもの防衛機制(不安などが生じた場合、それらの衝動を意識から追い払い、安定を保とうとする無意識の自我の働き)が働くことにより、つめかみなどの症状が形成されるのです。 従って、叱責や禁止・矯正などは、かえって子どもの緊張を高め、症状が固着・悪化し、自信を失わせることになります。さりげない援助で、あきらめず勇気づけていくように心がけましょう。 ページトップへ↑ この記事へのトラックバック
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